2.2.DNAを用いた機能性ナノ構造体の構築
論理素子と設計と同様に、それを連結するナノワイヤーの構築も、ボトムアップアプローチの重
要な検討課題の一つです。そこで、分子の自己組織化を用いたナノワイヤーの構築が盛んに研究
されています。特に、その構造形成と解離を外部刺激によって制御できれば、様々な応用展開が
可能です。
さらに、四重らせん構造と二重らせん構造を組み合わせて、カチオンやpHに応答するナノワイヤー
を構築することができることも報告しています。詳しくはこちら6。今後は、これらの機能性ナ
ノワイヤーを用いて、機能性分子の配向制御や、より複雑なナノ構造体の構築を目指します。
我々の研究グループでは、外部刺激に応答するDNAナノワイヤーを開発するために、DNAの主鎖
を化学的に修飾することを試みました。具体的には、金属イオンに配位して構造を変化させるビ
ピリジンを核酸合成に適した形に誘導し、これを四重らせん構造を形成するDNA鎖の中央部分に
導入しました。
Biomolecular Design Lab.
分子設計化学研究室